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サーロインとはどの部位?和牛・国産牛・輸入牛の違いも検証

洋食

「今日はステーキにするか!」

思いたったが吉日。

ステーキといえば「サーロイン」。

肉汁滴る厚切りのステーキが脳裏に浮かびます。

ふと思ったのが「サーロインってどこの部位?」

そもそも、サーロインってなんだろう。

高級ステーキというイメージはあるものの、いまいちピントこないというか。

その実態を把握しようとしていませんでした。

正直、美味しい牛肉という以外は何も知りません。

そこで、今回はサーロインの部位について詳しく調べていきたいと思います。

また同じサーロインでも、和牛と国産牛と輸入牛に違いがあるのか実際に検証もしてみました。

サーロインとはどこの部位?特徴は?

サーロインは「ステーキの王様」とも呼ばれます。

一方でどこにある部位なのか、なぜ「サーロイン」と呼ばれるのかを知る人は少ないのでは。

私は部位については検討もつかず、名前の由来についてはこう思っていました。

サーロインさんという昔の人が、美味しかったから名付けたのだろう。

先に結論をいうと、全然違いました。

じゃあなんだろう。

そう思ったそこのあなた、ぜひ下を見ていってください。

読めば「ステーキの王様」の秘密がわかりますよ。

サーロインはどこのお肉?

まずはサーロインの部位についてです。

サーロインは背中の後方部分、リブロースのお尻側にあります。

和牛一頭(約650㎏~750㎏)から、約10~20㎏しか取れない部位なんですよ。

生体重量を100%とした場合、牛の場合は約40%が食べられる部分(可食部)になります。

例として、700㎏の和牛1頭の場合は下の画像のようになります。

食べられる280㎏のお肉の中の約10㎏だけが「サーロイン」なんですね。

そう考えると、サーロインってけっこう希少な部位なんですね。

サーロインの味や特徴は?

背中部分にあるサーロインは、牛にとってはあまり動かさない場所。

そのため筋繊維が少ないので肉質は柔らかく、風味も豊かなのが特徴です。

サシ(霜降り)もまんべんなく入っていて、とろけるような舌触りや甘みを感じます。

厚切りにして豪快に焼くステーキがやっぱりおすすめ!

肉汁を閉じ込めて焼くステーキは、サーロインのおいしさをダイレクトに感じ取れます。

その他のおいしい食べ方を以下に挙げてみました。

  • TボーンやLボーンなどの骨付きステーキ
  • すきやき
  • しゃぶしゃぶ

「Tボーンステーキ」や「Lボーンステーキ」は、サーロインとヒレが同時に味わえる骨付きのステーキのこと

加熱することで骨の中のうまみがお肉に染み出し、よりおいしく堪能できます。

熱でとろけた脂の甘みを堪能できる「しゃぶしゃぶ」や「すきやき」。

薄くスライスしたサーロインのうま味のある脂が、口の中であっという間にとろけます。

サーロインは「○○○」の仲間だった!

実はサーロインって「ロースの仲間」なこと、知ってました?

「サーロイン」「肩ロース」「リブロース」の3つの部位を総称して「ロース」とよばれます。

ロースは牛の肩から腰にかけての広範囲のお肉のことを指すんですね。

ロースの語源は、英語の「ロースト(roast)」からきています。

日本語で「焼く」という意味で、まさに焼くことに適した部位。

ロース全体を通して、程よい歯ごたえとサシを多く含んでいるのが特徴です。

サーロイン以外のロース「肩ロース」と「リブロース」の紹介もしておきますね。

程よい食感と濃厚な風味「肩ロース」

「肩ロース」は、肩から背中にかけての頭に近い部分。

比較的動かす部位ですが、適度な脂肪もついているので硬すぎず、噛むほどにお肉の旨みを感じられます。

サーロインと比べて、味はさっぱりとしています。

薄切りにして、すき焼きやしゃぶしゃぶなどで食べたり、炒め物にも適しています。

柔らかく脂の甘み感じる「リブロース」

リブロースとは、背中の筋肉部分のお肉のことをいいます。

「リブ」とは肋骨やあばら骨という意味です。

スジも少なく、サシが入っていて柔らかいので、脂の旨みがよく感じられます。

サシと赤身のバランスが良く、サーロインに比べてサシが少な目です。

薄切りでは、ローストビーフやすき焼き、しゃぶしゃぶなどにおすすめの部位。

固まりの場合は、うまみを閉じ込めたローストビーフにも適しています。

名前の由来は?

サーロインという響きに上品さが漂っていますが、名前の由来はなんでしょうか。

冒頭部にも書きましたが、「サーロインさん」が名付け親ではありません。

サーロインの名前の由来は、2つあります。

1つめは、16世紀のイングランド王ヘンリー8世が、あまりにも美味しく感動して「sir(サー)」(イギリスのナイトの称号で目上の人につかう敬称)を与えたという逸話。

「sir(サー)」+腰肉という意味の「loin(ロイン)」でサーロイン。

2つめは、フランス語の「surlonge(シュールロンジュ)」からきているという説。

14世紀頃、フランス語で「surlonge(シュールロンジュ)」と呼ばれていたサーロインが、英語が入ってきて「sirloin(サーロイン)」に変わっていったのではとのこと。

個人的にロマンを感じるので、1つ目のヘンリー8世がつけた説を推します。

時代の流れで変化していった、という方が現実的で自然な感じはしますけどね。

サーロインは豚肉や羊肉にもある?

そういえば、サーロインって牛肉しか聞いたことがないな。

そんな風に思ったことはありませんか。

そうなんです。

サーロインは牛だけに与えられた特別な部位の名称。

ロースは豚肉や羊肉にもありますが、サーロインだけは牛肉にしかありません。

豚肉や羊肉の背中から腰にかけてのお肉は、すべてロースとして販売されます。

サーロインに対する特別感がさらに増しました。

和牛・国産牛・輸入牛で違いはあるの?

上の3つの画像はそれぞれ「和牛」・「国産牛」・「輸入牛」のサーロインです。

スーパーでお肉を買う際によく目にする上記の3品種。

同じ部位でも見た目や食感、味わいもそれぞれ違いました。

今後、サーロインを選ぶ時の参考にしてください。

食べ比べてみるのもいいですし、お料理の用途に合わせて使い分けてもいいですね。

では違いを見ていきましょう。

はじめに食肉牛の種類について知ろう

牛肉は大きく分けて「和牛」「国産牛」「輸入牛」の3つに分けられます。

4種に限定された高級食材「和牛」

和牛の種類は、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種。

この4品種の間での交雑により生まれた牛を和牛としています。

日本に出回っている和牛のほとんど(約90%)が黒毛和種です。

種類も豊富でお手頃価格「国産牛」

国産牛は、日本国内で加工した食用肉のことを指します。

品種や生まれた土地は関係ありません。

3ヵ月以上国内で飼育されれば、外国種や輸入牛でも国産牛になります。

日本の交雑牛は、ホルスタイン種か乳牛であるジャージー種のメスと黒毛和種のオスの間に生まれた牛をいいます。

赤身好きにはたまらない「輸入牛」

輸入牛は日本国外で飼育され、品種は問わず輸入された牛肉を指します。

生きた牛を輸入した場合も、日本での飼育期間が短い場合は輸入牛といいます。

グラム単位の値段は、和牛>国産牛>輸入牛の順番です。

各種サーロインの特徴と栄養成分表

「和牛」「国産牛」「輸入牛」の特徴とカロリーなどの栄養成分表を載せました。

カロリーの違いやたんぱく質、脂質などは気にする方も多いのでは。

あなたにあった品種選びの参考にしてくださいね。

[和牛]サーロインの特徴と成分表

[和牛]生サーロイン脂身つき100gあたり

エネルギー 460kcal
水分 40.0g
たんぱく質 11.7g
脂質 47.5g
炭水化物 0.3g
灰分(ミネラル) 0.5g
食塩相当量 0.1g

参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂)https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

高級和牛のサーロインには美しいサシが多く入っていて、まさに芸術品のよう。

赤身が多い輸入牛に対し、和牛は霜降り志向にあるのでサシが多く入っています。

そのままステーキで食べるのはもちろん、しゃぶしゃぶで余分な脂肪を落としたり、脂身は食べないなどの工夫すればカロリーを抑えられます。

[国産牛]サーロインの特徴と成分表

[国産]生サーロイン脂身つき100gあたり

エネルギー 313kcal
水分 54.4g
たんぱく質 16.5g
脂質 27.9g
炭水化物 0.4g
灰分(ミネラル) 0.8g
食塩相当量 0.1g

参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂)https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

国産牛は和牛に比べて赤身が多い印象です。

赤身とまんべんなく入っている脂身のバランスが良いお肉ですね。

国産で、高たんぱくなのも嬉しいです。

そのままステーキで食べるのはもちろん、炒め物やビーフカツなどもおすすめ。

[輸入牛]サーロインの特徴と成分表

[輸入]生サーロイン脂身つき100gあたり

エネルギー 273kcal
水分 57.7g
たんぱく質 17.4g
脂質 23.7g
炭水化物 0.4g
灰分(ミネラル) 0.8g
食塩相当量 0.1g

参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂)https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

輸入牛は赤身が多く、和牛や国産牛に比べて脂身はかなり少ないです。

厚切りで赤身が多い見た目が、これぞビーフ!という感じですね。

ステーキもいいですが、煮込み料理や薄切りにするとさらにおいしく食べやすいです。

それぞれのカロリーとたんぱく質、脂質を表にまとめました。

カロリー たんぱく質 脂質
和牛 460kcal 11.7g 47.5g
国産牛 313kcal 16.5g 27.9g
輸入牛 273kcal 17.4g 23.7g

脂質が多いとカロリーは高いですが、その分お肉の柔らかさと脂身の特有の甘みとうまみを感じられます。

脂質は少ないと味はあっさりとしますが、その分たんぱく質も多く摂取できるので、できダイエットには最適です。

ステーキを食べるなら、普段は「輸入」か「国産」で、ちょっとしたお祝い事には「和牛」を使うなどしてみようと思いました。

サーロイン3種を焼いてみた

最後に、サーロインの3種「和牛」「国産牛」「輸入牛」を焼いてみました。

同じ時間ホットプレートで焼き、塩だけのシンプルな味付けにしました。

焼きあがったときの画像が下です。

とてもいい色に焼けました。

お肉の香ばしい香りが、部屋一面に立ち込めます。


では、3種類それぞれ実食した感想をみていきましょう。

いただきます!

和牛サーロインの場合

柔らかさとサシの甘みは3つの中でダントツです。

私は胃が弱いタイプなので、半分も食べる前に胃がもたれる感じがしました。

ですが、がっつりお肉を食べたい人や、ジューシーなお肉を求めているときには最適です。

国産牛サーロインの場合

国産牛はサシと赤身のバランスがちょうどよく、食べやすかったです。

ただ、時間が経つにつれて結構硬くなるので早めに食べることをおすすめします。

輸入牛サーロインの場合

輸入牛はかなりしっかりとした肉の弾力があり、淡泊な味わいです。

サシが少ない分、赤身のうまさが存分に楽しめました。

まとめ

今回は、サーロインの部位や特徴、名前の由来などについて詳しく紹介していきました。

サーロインとは何かを調べていくうちに、他の部位との関係性もみえてきて面白かったです。

柔らかくて脂身の甘みを存分味わえる、希少な部位なことに改めて気づかされました。

「ステーキの王様」と呼ばれるのも納得です。

また、同じサーロインでも「和牛」「国産牛」「輸入牛」では、見た目も味もこんなに違うんですね。

それぞれの特徴を知ることができたので、今後牛肉料理を作るうえでの参考になりました。

サーロインの名前の由来も、胸を張って周囲に話すことができます。

お肉と野菜をバランスよく摂取し、パワーをつけて忙しい毎日を乗り切りましょう。
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