神奈川県が誇る戦国大名、後(小田原)北条氏。
その居城となった小田原城は、武田信玄や上杉謙信でも落とすことができなかった難攻不落の城です。
そんな名城に行ったなら、小田原の歴史にちなんだものを食べたいですよね。
そこで、小田原城周辺のご当地グルメを紹介していくのですが、ただ紹介するだけではありません。
後北条氏ダイスキ歴女な私が、歴史の豆知識を交えながら、歴史にまつわるご当地グルメを紹介していきます。
もちろん、後北条氏以外の歴史にも触れていきますよ。
小田原の歴史に思いを馳せながら、おいしいグルメを楽しみましょう。
小田原城のご当地グルメ:お食事編
神奈川県小田原市に来たからには、ランチやティータイムも、歴史ずくしで楽しんじゃいましょう。
小田原の歴史なら私におまかせ!
お城見学のついでにふらっと立ち寄れるような、小田原城周辺のお店を紹介していきます。
お城見学の一休みに「本丸茶屋」
引用元:https://odawaracastle.com/castlepark/restaurant/
小田原城址公園の本丸広場にある「本丸茶屋」は、北条にちなんだメニューがたくさん。
「北條うどん」や「早雲そば」もいいですが、私がオススメするのは「小田原戦国武将茶漬け丼」です。
「小田原戦国武将茶漬け丼」の特徴
- 日本古来の品種改良されていない貴重な品種「杉田梅」の梅干し
- 北条氏の家紋「三ツ鱗」をかたどった焼きおにぎりのお茶漬け
- 小田原名産のかまぼこ
- どんぶりは伝統工芸品「小田原漆器」
伝統工芸品の「小田原漆器」は、小田原城築城のために集められた、漆職人によって発展していったんだよ。
だし汁と梅干しで、さっぱりいただけます。
小田原の名産がこれでもかと詰まった丼を、お城見学の息抜きにいかかでしょうか。
お値段は1,000円(税別)。
数量限定なのでお早めに!
神社の隠れ家「きんじろうカフェ」
引用元:http://www.hotoku.jp/kinjiro-cafe/
小田原城址公園の中にある「報徳(ほうとく)二宮神社」。
その境内にあるのが「きんじろうカフェ」です。
「きんじろう」って、よく小学校に銅像がある、あの二宮金次郎?
その二宮金次郎だよ。実は小田原生まれなんだ。
「報徳二宮神社」は二宮金次郎を祭っているんだよ。
「きんじろうカフェ」は、報徳二宮神社の祭神である「二宮尊徳翁(そんとくおう)」を知ってもらうためのカフェです。
私がオススメするニューは「呉汁(ごしる)」。
野菜の味噌汁に、すりつぶした大豆が入っています。
なんと呉汁は、金次郎が66歳の頃の記録をもとに再現されたもの。
呉汁を食べて、江戸時代の生活に思いをはせるのも一興です。
お値段は550円(税別)。
炊き込みご飯がついた「呉汁セット」は850円(税別)です。
旧黒田侯爵別邸「カフェ清閑亭」
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E9%96%91%E4%BA%AD
小田原城跡公園のすぐ近くにある「カフェ清閑亭(せいかんてい)」。
清閑亭は、明治39年(1906年)に建てられた黒田長成侯爵(くろだながしげこうしゃく)の別邸で、国の有形文化財に指定されています。
あれ?「黒田」ってもしかして……。
そう。黒田長成は、黒田官兵衛の直系だよ。
小田原征伐のときに、小田原城を無血開城(むけつかいじょう)したことで有名だね。
黒田氏の別邸が小田原にあるなんて、歴史のロマンを感じずにはいられませんよね。
「侯爵の紅茶(スコーン付き)」や「抹茶(おだわら最中付き)」など、オシャレなメニューがそろっているので、写真映えもしますよ。
明治時代の侯爵になりきって、優雅なティータイムと洒落込みましょう。
小田原城のご当地グルメ:お土産編
小田原城に来たなら、お土産を忘れてはいけません。
小田原の歴史はまだまだあるよ!
ここからは、小田原の歴史あるお土産を紹介していきます。
禄寿応穏!正栄堂の「虎朱印最中」
引用元:https://www.shoeidokashiho.com/%E5%95%86%E5%93%81%E6%A1%88%E5%86%85/
「虎朱印(とらしゅいん)」は、後北条氏の二代目・北条氏綱が作り、公文書に使われたハンコです。
そこに刻まれているのは、「禄寿応穏(ろくじゅおうおん)」の四文字。
これは、「禄(財産)と寿(生命)は応(まさ)に穏やかなるべし、領民全ての禄を寿を北条が守っていく」という政治スローガンです。
目安箱の設置に、戦国期では考えられないくらい低い税率。
民政に力を入れていた、後北条氏らしい言葉だよね。
「虎朱印最中」の中には、北海道産の大納言小豆を使ったつぶ餡がぎっしり。
もちもちした求肥(ぎゅうひ)がアクセントです。
また「虎朱印最中」は、神奈川県指定銘菓に登録されています。
小田原城土産といったらコレでしょ!
「虎朱印最中」は、小田原城址公園内の「本丸売店」で買えますよ。
外郎売の本家「ういろう」
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%86%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%86_(%E8%96%AC%E5%93%81)
「ういろう」は米粉の蒸し菓子です。
名古屋など、ういろうが名産になっている地域は他にもありますよね。
しかし、小田原にある「株式会社 ういろう」のういろうは、京都外郎(ういろう)家から連なる、本家本元のういろうです。
ういろうの起源は、外郎家が作る、外郎薬の口直しに添えたお菓子とされています。
ういろうと言ったら「外郎売(ういろううり)」だよね。「拙者親方と申すは、お立会の中に~」ってやつ。
歌舞伎十八番の一つだね。「外郎売」は、小田原外郎家のお話だよ。
1504年(永正元年)、小田原外郎家は、京都外郎家の分家として成立しました。
その外郎家を招いたのは、後北条氏の祖・北条早雲と言われています。
後北条氏は滅びてしまいましたが、後北条氏が築いた文化は受け継がれているのですね。
「株式会社 ういろう」では、お菓子のういろうの他に、お医者さんの処方せん無しに買える、漢方薬のういろうも販売しています。
対面販売のみとなっているので、ここでしか手に入らないレアものですよ。
また、「株式会社 ういろう」には外郎博物館が併設されており、ういろうの歴史や、昔の商家の品々を見ることができます。
入館無料なので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
曾我兄弟にちなんだ「十郎梅」
引用元:https://chinriu.co.jp/ume/mukashinagara-umeboshi/juroume
神奈川県小田原市にある曾我梅林。
この地域には、曾我兄弟の墓とされている場所があります。
日本三大仇討ちのひとつである、「曾我兄弟の仇討ち」。
曾我兄弟が、父親の仇である工藤祐経(すけつね)を討った事件だよ。
「曾我物語」でも有名だね。
そんな曾我兄弟の兄・十郎の名前にちなんで名づけられたのが「十郎梅」です。
「十郎梅」は、曽我梅林にある梅の中から、最も優れた品種として選ばれました。
「十郎梅」を使った梅干しで、私がオススメするのは「ちん里う(ちんりう)本店」の梅干しです。
明治4年創業の老舗である「ちん里う本店」は、昔ながらのすっぱい梅干しが楽しめます。
他にもいろいろな種類の梅干しがあり、試食もできるので、好みの梅干しがきっと見つかりますよ。
また、小田原駅前本店には梅干博物館があり、100年以上前の梅干しや、昔の道具を見ることができます。
梅干しの歴史、すっごく気になる!
まとめ
神奈川県・小田原城周辺のご当地グルメを、歴史の豆知識を交えながら紹介しました。
後北条氏ダイスキ歴女の私としては、魅力をもっと語りたいところですが、ここでは割愛します。
小田原城に行き、あなた自身の目で、後北条氏がいかにすばらしい大名家であるか、確かめてみてください。
その時には、当時のことを思い浮かべながら、おいしいグルメを食べるのも楽しいですよ。
ういろうと北条早雲のように、一見関係ないと思うようなことも、実はつながっていたりするのが歴史の面白いところですよね。
歴史を楽しみながら美味しいものを食べて、ぜいたくなひと時を過ごしましょう。