ワインは国と産地で選ぶということがありますね。
ワインは、ラベルを見るとわかると言われていますが、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、英語、うーん訳が分からんとなりますが、ブドウの品種、産地かなというぐらいは何となく感じとれます。
この産地が、何となく分かってくると、ワインの等級もわかりやすくなってきます。
ワインの価格って、どうやって決めているんでしょう?
実は「等級」に秘密が隠されているようです。
出来るだけお手頃価格で、等級の良いワインを探すヒントを考えてみました。
代表的なフランスといくつかの国の等級、そして日本をものを簡単に紹介します。
ワインの等級と価格の関係
ワインの等級のはじまりは、1885年の第1回パリ万国博覧会で、輸出の目玉商品としてボルドーワインをさらに世界に売るため、わかりやすい基準が必要ということで、生産地の中からその品質順に等級付けをしました。
今は、それぞれの国でワインの法律というのがあって、ブドウの種類や生産地、作り方などワインの品質を保護するために決められています。
国によって基準が色々ありますが、これを等級(格付け)と言って産地をランク分けしています。
この等級が高い産地のワインほど、品質が高く価格も高くなるのが一般的です。
ただ、国によっては、等級は上でもリーズナブルにいただけるところも多いです。
ワインの等級の要素とは
この等級を選ぶ時の大切な項目として、ボルドーのように「ワインを作った産地」を基準にしましょうということがあります。
ワインを選ぶときには産地を見れば、 ある程度のそのワインの等級が分かる仕組みになっています。
ワインの品質や産地を守るために生まれたワインの等級は、ワインを知るうえで大切な証です。
ワインの等級を知るという事は、産地=美味しさを調べる基準になりますので、覚えておきましょう。
ワインの産地は、ほとんどのワインのラベルに、表示されています。
ぜひこの機会にポイントをサクっと覚えておけば、ワイン選びに損はありません。
ワインの価格の要素とは
ワインの価格はどう決まるのでしょうか。
ワインは、ブドウからワインになるまでに、手間がかかり、その分の人件費がかかればかかるほど高くなります。
手間がかかるワインは少ししか生産されませんので、美味しい評判となるとお客さまが殺到し、価格は高くなりますよね。
また、ワインの場合、ブランドイメージの占める割合が高いというところがあります。
ワインの価格は、生産量とブランドイメージなどが大きなポイントなのです。
フランスワインの等級と価格
ぶどう畑を所有して、ワインまでつくる生産者を、ボルドー地方ではシャトー、ブルゴーニュ地方では、ドメーヌといいます。
ボルドーでは、お城みたいに規模が大きいところからシャトー(城)と呼ばれますが、ブルゴーニュ地方は小規模で、一つの畑を複数の生産者で所有する形態でドメーヌ(区画)といいます。
それぞれのランクを級で分けています、価格もに上級クラスは非常にお高いです。
ボルドーワインの等級はシャトーに
赤ワインの等級
1級 | 5シャトー |
2級 | 14シャトー |
3級 | 14シャトー |
4級 | 10シャトー |
5級 | 18シャトー |
白ワインの等級
特1級 | 1シャトー |
1級 | 11シャトー |
2級 | 15シャトー |
ボルドーワインが、ワインの女王と言われるのは、ブドウ栽培やワインの作り方などボルドー地方が世界中のワイン生産者のお手本となっているんですね。
「まろやか」「しなやか」「エレガント」などと評価され、その深い味わいが女王と言われる由縁です。
ホルドー地方では、ワインを生産するシャトーごとに評価されています。
ボルドー地方の赤ワインで最高ランク1級は5つです。
「シャトー・ラフィット・ロートシルト」
「シャトー・マルゴー」
「シャトー・ムートン・ロートシルト」
「シャトー・オー・ブリオン」
これは、「ボルドー5大シャトー」と呼ばれています。
有名で、何となく聞いたことがある名前ではないでしょうか。
それぞれのワインの価格は大体10万円前後、なかなか手が出ない価格ですね。
それぞれのシャトーでは、基準をわずかに満たせなかったものを、セカンドラベルとして別の名前で出しています。
それでも、3万円前後ですが、シャトーのこだわりを楽しみたい方は少し安く楽しめます。
ブルゴーニュワインの等級は畑に
ブルゴーニュ地方のワインは、畑でランクされています。
特級畑ワイン、第1級畑ワイン、村名ワイン、地方名ワインの4つに分かれています。
この地方は、赤・白ともに飛び抜けて優れた品質のワインが作られ、ワイン界の王者のように他を寄せ付けないことからワインの王様と呼ばれています。
ブルゴーニュ地方は、ボルドーなどに比べ工業化があまり進んでいないことも価格に影響しています。
農家のほとんどが厳選した剪定、ぶどうの手摘み、天然酵母の実を使用してワインの美味しさを追求するスタイル。
まさにこだわりの職人技の世界ですね。
価格の高いのも納得です。
コート・ドール地区には、数々の世界最高級ワインを生み出す「クリマ」と呼ばれる小さなブドウ畑があります。
2000年以上に渡って続くブルゴーニュ独特のワイン文化は、ブルゴーニュのぶどう畑のクリマとして世界遺産にも登録されました。
これもまた価格に影響を与えています。
私はこれまでワインというと、あんまりどこの国ワインとか意識しなかったのですが、数をこなしていくとフランスが一番安定した味わいで安心だと思うようになりました。
フランスワインは、それなりに、迷ったときの最後の砦です。
ヨーロッパのその他の国は?
ワインのルーツは、ヨーロッパにあると言われています。
特に、EU加盟のワイン生産国の多くは、法律でワインの品質や産地の特徴を保護しています。
日本でよく見られるワインの中から、国ごとに等級の特徴をあげてみました。
イタリアワインの等級は産地に
価格については、イタリアでは、ワインは「水より安い」と言われるくらい国民的な飲み物なんですね。
イタリアワインの等級は、4つ分類され、ワインの品質を守っています。
イタリアワインは伝統的な地方料理に合わせて、色々なブドウ品種が生育され、その地方にあった個性豊かなワインが造られています。
スーパーテーブルワインという、ワイン法や古いスタイルにとらわれない自由な発想で造るワインの流れもあります。
サッシカイアというワインは、中部イタリア・トスカーナ州で生まれたモダンな造りのワインで、美味しさを追求するスーパートスカーナというスタイルを生み出した有名なワインです。
イタリアワインの至宝言われるこのワインの価格は、3,000円くらいから楽しめるワインです。
本場イタリアでは、ワインは本当に安いのですが、日本ではデイリーワインで1000円~2000円、高級ワインでも5,000円ぐらいからです。
さすが、ワイン生産量世界一のワイン大国、うれしい価格で楽しめますね。
スペインワインの等級は産地と作り方
スペインワインの等級は、品質による6つのカテゴリーと、貯蔵期間をごとに4つに分類されています。
スペインワインは、スパークリングワインのカバ、ブランデーを加えたワインのシェリー、ワインにフルーツを加えて作るサングリアなど多彩です。
スペインワインの価格も親しみやすく、最上級のものでも3,000円ぐらいから楽しめます。
スペインワインは、比較的安くても味がしっかりしていると定評があります。
ドイツワインの等級は産地と糖度
ドイツワインの等級は、産地と糖度によって分けられ、世界一厳格とも言われるワイン法によって定められています。
「ドイツワイン法」では、地域指定優良ワインを、肩書付上質ワインと特定産地上質ワインとに分けています。
またテーブルワインも、2つに分けられています。
ドイツの葡萄畑は、太陽からの放射熱を効率よく受けるために川岸の急斜面に作られています。
ブドウ栽培の北限で造られるワインは、張りつめた酸と美しい果実味が魅力と言われています。
機械化は難しく、多くの作業が手作業となり、必然的に人件費も高くなりますが、これが意外に知られていません。
知名度がまだまだな分、価格が控えめです。
チリワインの等級はない
日本でワイン輸入量No.1のチリワインは、あちこちの店でよく見かけるワインですね。
チリワインは、フランスのように品質のピラミッドでランク分けはなく、チリの産地を決めているだけです。
ほぼ無農薬のオーガニックワインが多く、気候に恵まれた土地ならではの美味しさと安さのチリワインの秘密は、関税撤廃と人件費の安さにあるようです。
コノスル カベルネ ソーヴィニヨン レゼルバ エスペシャルは、アジア最大級の国際ワインコンクール、ジャパン・ワイン・チャレンジやチャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァンで金賞受賞しています。
この価格も驚きの1,000円台で、等級が無くとも堂々としたものですね。
チリワインは、こう言ったものが比較的多いのでファンになります。
日本ワインの等級とうれしい価格のワイン
最近、日本でも5つ星を最高としたランクが発表されました。
日本ワインの等級は星で
最近、日本ワイナリーアワードで受賞したワイナリーに最高位を「5つ星」、「4つ星」、「3つ星」、「コニサーズワイナリー」の4段階の分け方がされています。
それぞれの星の中では、北海道、長野、山梨などぶどうで有名どころが受賞しています。
ワインの生産者への賞なので、星のワインははずれがないですよ。
価格は、どのワイナリーも親しみやすい価格ですので、安心に飲み比べができます。
★★★★★[5つ星]受賞ワイナリー2019
ドメーヌ・タカヒコ | (北海道) |
YAMAZAKI WINERY | (北海道) |
酒井ワイナリー | (山形県) |
高畠ワイナリー | (山形県) |
タケダワイナリー | (山形県) |
勝沼醸造 ARUGA | (山梨県) |
機山洋酒工業 キザンワイン | (山梨県) |
サントリー登美の丘ワイナリー | (山梨県) |
ダイヤモンド酒造 シャンテワイン | (山梨県) |
中央葡萄酒 グレイスワイン | (山梨県) |
丸藤葡萄酒 ルバイヤートワイン | (山梨県) |
シャトーメルシャン | (山梨県) |
小布施酒造小布施ワイナリー | (長野県) |
Kidoワイナリー | (長野県) |
三和ワイン安心研究所ワインワークショップ | (大分県) |
等級より価格?コスパの高い、日本ワイン
「日本ワインコンクール」は、国産ブドウを100%使用した「日本ワイン」だけを対象とした日本最大規模のワインコンクールです。
このワインコンクールでユニークなのが、各部門のうち銀賞以上を受賞した2,000円未満のものの中で、最高点のワインをコストパフォーマンス賞としています。
これは、我々庶民にとっては、素晴らしい賞です。
すぐにでも味わいたいと思いますのでちょっと紹介しますね。
2019年のコンクールの話題は、いくつかある部門の中で、国内改良等品種赤 部門と甲州部門でワイン王国の山梨県以外の県が選ばれ、山梨ダブルショックと言われています。
国内改良等品種赤 部門の部門最高賞は、『NACマスカットベリーA[遅摘み]2018 』
(長野県/井筒ワイン)
引用 : http://www.izutsuwine.co.jp/
金賞でコストパフォーマンス賞の国内改良等品種赤 部門で金・コストパフォーマンス賞 『高畠ワイナリーラスティック マスカット・ベーリーA 』 (山形県/高畠ワイナリー)
引用 : https://www.takahata-winery.jp/
甲州部門で部門最高賞・金賞・コストパフォーマンス賞『島根わいん 縁結 甲州2018年』(島根県/島根ワイナリー)
引用 : https://shimane-winery.shop-pro.jp/
ワインの産地というと、ぶどうの収穫量の多い、山梨、長野、山形を思いますが、島根ワインはワイナリーの少ない西日本で大健闘です。
しかも、山梨生まれのブドウ品種の甲州は山梨が代表的な地域ですので、名産地を揺るがすほどの話題になりました。
甲州部門最高賞に、山梨県以外のワインが選ばれたのは初めてです。
応募されている、ワイナリーの美味しいワインを作る努力が評価され、色々な地方で上質なワインを味わえる機会が増えてくることは、うれしいことですね。
まとめ
ワインの等級と価格の関係を国別にまとめてみましたが、それぞれの国に特徴がありますね。
美味しいと感じるワインは人それぞれ、等級(格付け)やランクはあくまで目安と考えましょう。
価格ということで、考えてみると全体としては、ワインは高級すぎるということはないと思います。
フランスのように等級の高いワインは価格も相当高級ですが、その希少価値ゆえの価格です。
ヨーロッパでもイタリアのように水より安いというようなところもありますね。
むしろ平均的には、良いワインもけっして高くないのです。
どうしても超有名どころのイメージが付きまとうので高いと考えがちですが、もっと日常的飲み物なのですね。
ぜひいろいろな国のワインを試してみてください。
ワインを飲む経験も美味しさの判断に影響すると言われています。
私も色々な国のワインをそれほど意識せず飲んできましたが、今は少し日本ワインを探して見たいと思っています。
日本ワインも世界に通用するとの評価がありますので、身近なワインから始めるのもいいかもしれません。
機会を見つけて、色々なワインにチャレンジしませんか。