「今度のおせちはどこで買う?」
2年連続でおせちを購入して、昨年は手作りおせちに戻ったという経緯がある我が家。
ちゃんと重箱に詰めてるにもかかわらず、やっぱり手作りが一番!
とはならなかったらしい娘は、豪華なお取り寄せおせちを見ながら次回はどうなるのか気になるといった感じで聞いてきた。
「今年も手作りよ、だって高いんだもん。」
え~~…。
ごめんね、貧乏で。
よし!
そんな悲しむ娘のために、せめて盛り付けだけでもプロ並みにしてやろうじゃないか。
そう思い立った私はおせちの盛り付けの基本を一から勉強してみることに。
評判の良い高級おせちを参考にしながら調べていくうちに、「これは自宅で出来そうだぞ」
となんだかウキウキしてきちゃった。
娘に「手作りでもこんなに立派に出来ちゃうんだ~~。」
って言わせてやる!
重箱に手作りおせちを盛り付けようと思っているあなた。
これを見て一緒にプロ並みのおせちに挑戦しちゃいましょう。
おせち料理を振り分けよう
おせちを盛り付ける前にまず考えておかなくてはいけないことが、何段のお重に詰めるか。
こちらは我が家の重箱。
三段重です。
おせちよりも運動会で一番大活躍しているかな。
重箱ってそれだけで豪華に見えるんですよね。
こちらは2年ほど前、某有名ホテルのおせちを購入した際、残ったケース。
こういうのはとっておくと非常に便利。
こちらも主な活躍の場は運動会です。
昨年はこれに手作りおせちを詰めてみましたが、素人感満載の仕上がりでした・・。
我が家は家庭の人数で料理の配分を考えると、一番盛り付けしやすいのは三段重。
でもおせちの正式は四段重なんですよ。
お重は上から、「一の重」、「二の重」、「三の重」、「与の重」と呼びます。
四段目のお重を「四の重」と言わないのは「四」が「死」を連想させ縁起が悪いとされているからなのよ。
でも、今の時代一般的なのは三段重。
という事で今回は三段重の盛り付けについてご紹介いたしますね。
まずは段によって詰める料理が決まっているのでそれを確認。
お重 | メイン | 料理 | ポイント |
一の重 | 「祝い肴三種」 |
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お屠蘇(とそ)を楽しむための前菜。
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「口取り肴」 |
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酒の肴や甘いものを中心に | |
二の重 | 「酢の物」 |
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酢の物 |
「焼き物」 |
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海の幸
メインディッシュにあたる料理が中心 |
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三の重 | 「煮物」 |
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山の幸などの煮物 |
※家庭や地域によって異なる場合があります。
へぇ~。
適当に詰めてたらダメなんですね。
今まで恥ずかしい思いをしちゃってたかも。
豪華に見せることばっかり考えててもダメなんですね。
「おせち」と名乗るなら、ちゃんとマナーは知っておかないと。
重箱のレイアウトを考える
盛り付けには伝統的な形が何種類かあります。
その形によって料理の仕切り方を変えなくてはいけません。
仕切りケースを使うとラク
この仕切りがいかにおせちを美しく見せるかの重要ポイント。
「隣のおかずがこっちにはみ出てきた~~。」
なんてことにならないように、事前にしっかり仕切っておいた方がぜったい良いです。
そんなときに活躍するのが、仕切りケース。
こちらは数年前購入したおせちの中に入っていた仕切りケース。
これももちろん再利用(笑)。
我が家の重箱にもピッタリ。
透明タイプもあるんです。
竹筒もちゃっかり再利用。
主に運動会に登場するこの重箱たちですが、この仕切りも重箱とセットで大活躍。
重箱を9分割してくれるこの仕切りケースを使う事で、とっても詰めやすくなるんです。
竹筒に至っては、「エビフライのオーロラソース入れ」になっている始末。
いやいや、丈夫だし液漏れしないし、これ以上のものは無いくらい、とっても重宝しているんです。
仕切りケースはamazonなど、多くの通販サイトで取り扱っているので、ぜひ購入することをおススメします。
ではおせちに戻って、仕切り方の種類を見ていきましょう。
レイアウトは数種類
田の字・市松(いちまつ) | |
重箱を縦に三つ、横に三つの九等分のスペースに分けて、料理を詰める方法。
市松模様のようですね。 品数が少ないときは四等分の田の字でもいいですが、料理の品数が偶数になってはいけません。 ケースやハランなどできっちり仕切ること。 配色に気を配りましょう。 【おススメポイント】
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升掛け・手綱(たづな) | |
斜め平行に区切って詰める方法。
中央に海老やかまぼこなど、色鮮やかでインパクトのある食材を詰めると、見栄えよく盛り付けができます。 【おススメポイント】
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七宝詰め・隅切(すみきり) | |
中央に菱形のスペースを作り、四隅を三角形に使う方法。
中央にメインの料理を盛り付ける。 【おススメポイント】
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末広(すえひろ) | |
どの方向から見ても末広がりの「八」の字になるので、縁起の良い詰め方です。
【おススメポイント】
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扇詰め | |
小鉢などに入れた料理を角に置き、残りのスペースを扇形に広がるように四等分して盛り付ける方法。
【おススメポイント】
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八方詰め | |
富士山に見立てたお正月にぴったりの詰め方。 | |
段詰め・段取り(だんどり) | |
横方向に三段か五段に区切り、横一列に盛り付ける方法。
段の幅を変えて不均等にしたり、真ん中を広く取って見栄えする料理を配置したりと仕切りを増やすだけで印象が変わります。 具材ごとにすっきりと並び、見栄えよく盛り付けられます。 【おススメポイント】
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たくさんありますね~。
見た目を決定する第一段階がこのレイアウトを決める事。
初心者としては、段に応じたおススメのデザインを選んでおくのが良さそう。
重箱に詰める際のポイント
3つのマナーを確認
まずは伝統的なマナーとして押さえておきたいことはコレ。
- 一段に詰める料理の品数は必ず3、5、7、9などの「奇数」にする。
- 紅白に分かれた料理を詰めるときには、「右紅左白」。
- 魚やエビの頭は左に向ける。
奇数は吉数とも呼ばれ縁起が良いから。
偶数は割り切れる数のため「別れる」を連想させ、お正月のお祝いにはふさわしくないんです。
右を華やかにするという意味から、紅白かまぼこなどは、右側に紅色を置く。
尾頭付きの魚や海老料理は頭を左向きにそろえて盛ることがきれいに見せるポイント。
この3つはマナーとして頭に入れておきたいこと。
知っておくと嫁の株も上がりそうな予感。
順序どおりに詰めよう
では3段のレイアウトを決め、詰め方のポイントを頭に描きながら盛り付けていきます。
- 料理を十分に冷ます。
- 葉らん、仕切りケースなどでしっかり仕切りを作る。
- 汁が出る煮豆やなますは竹筒やゆず釜などの器に入れる。
- 形の崩れにくいものを先に選ぶ。
- 詰める順番は、奥から手前に。
- 具材の高さを揃える。
- 厚みのないものは重ねて高さを出す。
- 色の似た料理を近くに盛り付けない。
盛り付けるとこんな感じ
段によって一番盛り付けがしやすい仕切りのパターンと盛り付けはこんな感じ。
一の重 【市松】
中央に黒豆を盛った小鉢を置きます。
対角線上の角に形のしっかりした田作り、数の子、伊達巻き、紅白かまぼこなどを詰める。
【ポイント】
- 四隅は形のしっかりしたもの。
- 1スペースを使って彩りに飾りを添えてもよい。
二の重 【手綱】
中央の列に濃い色の肉や魚を詰めます。
例えば海老や昆布巻きなど。
左右にメリハリがつくような優しい色合いのものを盛り付けます。
【ポイント】
- 隙間ができやすいので、きんかんの甘煮や松葉ぎんなんで埋めるのも良い。
- 彩りに南天を添えても色鮮やかに。
三の重 【段取】
奥に里芋を横一列に並べます。
しいたけ、れんこんを立てかけるように並べる。
中央にれんこん、こんにゃくを並べます。
手前にごぼうを詰めます。
最後ににんじんを具材の間に並べ、絹さやを飾ります。
【ポイント】
- 重心の安定するものを先に詰める。
- 薄いものは立てて高さを出す。
- 具材ごとに向きを変えると動きが出て美しく見える。
三の重はぜひ真似したい。
茶色で一番盛り付けがしにくいお煮しめ。
段取りのレイアウトにするだけでこんなに素敵になるなんて驚きです。
素人では思いもつかない、こんな盛り付け方にも挑戦したい!
飾りは欠かせない
おせちの「あしらい」はおせちを豪華でセンス良く見せるのに重要なアイテム。
取り入れることで盛り付けも一気にグレードアップ!
特に緑の葉は使いやすく、縁起の良い意味を持つものも多いので是非取り入れたいもの。
いや、絶対取り入れて!
葉らん | |
抗菌効果もある葉らんは、料理の仕切りに大活躍。 | |
松葉 | |
松葉は、料理の上に乗せる飾りや黒豆に刺すなどして使います。
細長い形から長寿の象徴とされています。 |
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裏白・南天 | |
南天を置くだけでその赤色が全体を引き立てます。
「難を転じる」と言われる縁起物です。 裏白は重箱の底に敷くなどして使います。 |
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ちょろぎ | |
おせち料理の飾りつけに多い赤色ですが、昔から魔除けの色とされているんです。
ちょろぎは植物を赤く酢漬けにしたもの。 黒豆の飾りに使うと高級感が一気にアップ。
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ゆず釜 | |
黄ゆずの中身をくり抜いて作ります。
いくら、なますなどの酢の物を盛るのにおすすめ。 ゆずの香りが酢の物と相性◎。 |
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手毬麩 | |
見た目がとっても可愛らしい手毬麩。
こんな風に飾るだけで一気に高級料亭風。 |
何か物足りない。
と感じたらこの「あしらい」を思い出して。
プロのおせちを参考にしよう
有名店のおせちの盛り付けをまねしちゃうのが一番!ってことで、特に目を引いたおせちがこちら。
こちらは高級料亭「銀座 鮨 青木」の和風のおせち。
こんなに細かく仕切る方法もあるんですね。
彩のバランスがさすがです。
真ん中にど~んと伊達巻!
あまり考えたことないレイアウトですが、彩りもバランスも意外に良いんですね~。
竹筒や柚子釜がなくても瓶詰めでも十分なのが分かります。
よし!取り入れてみよう。
こちらは有名イタリア料理店「サルヴァトーレ クオモ」のおせち。
洋風のおせちも今大人気ですよね~。
子どもの食べるものが多いのも◎。
ハムは巻く、キノコは並べる・・。
うん、真似しよう!
※画像のおせちは昨年のものになります。
大切な意味をもつおせち料理
ついでに娘に質問。
「おせち料理ってどういうものか知ってる?」
「お正月に食べる料理でしょ?」
う、うん・・。
それ以上聞いてもきっと知らないだろうな。
おせちの品には大切な意味が込められているんです。
おせち料理に込められた意味 | |
黒豆 | 一年中「まめ(まじめ)」に働いて「まめ(健康的)」に暮らせるようにとの願いが込められています。 |
数の子 | たくさんの卵というところから、子孫繁栄の願いが込められています。 |
田作り | 稲の豊作、五穀豊穣の願いが込められています。 |
海老 | 腰が曲がるまでという長寿の願いが込められています。
海老の赤色は魔よけの色。 |
昆布巻き | 「よろこぶ」 の語呂合わせからお祝いには欠かせない食材です。 |
きんとん | 金色から財産、富を得る縁起物とされています。 |
紅白なます | 紅白の組み合わせは水引を表し、平和を願う縁起物です。 |
近年のおせちも和洋折衷。
生活スタイルも欧米化している今の世の中ですが、日本人の「おもてなし」の心は次の世代にちゃんと引き継いでいきたいですね。
これらの品々は欠かすことが出来ないんです。
必ず取り入れましょう。
まとめ
街中やネットでもチラホラ出てきた来年のおせちの広告。
高級食材や豪華な盛り付けで、高価だけど値段に見合っただけのことはある、お取り寄せおせち。
手間ひまかからず、主婦としても買えるものなら買って済ませたいとこ。
でもそこをグッと我慢。
年末年始はそれでなくても出費がかさむから贅沢言ってられない。
手作りだって、基本を押さえ見本をまねして盛り付ければ、きっと高級料亭やレストランのようなおせちになれるはず!
という事で、今回は今までにない手作りおせちを作ろうと決めたんです。
今まで適当に盛り付けて、悪戦苦闘していた私としては、「目からウロコ」なことだらけ。
なんだ、そうすればよかったのか~。
盛り付け方を知った私は、お正月はまだ数ヶ月先にもかかわらず、早く作りたくてウズウズ。
まずは参考にするおせちを吟味しよう。
娘の驚く顔が楽しみ♡