カニ美味しいですよね。
カニの身を一生懸命取る時に、沈黙する食卓。
どこの家庭にでもある「カニあるある」ですよね。
そして、さばき方がわからないことも「カニあるある」のひとつではないでしょうか。
確かにスーパーで売られている調理済みのカニも、もちろん美味しいです。
でも、できれば自分の手でさばいてみたいと思ったことがある人は、私だけではないはず。
「カニのさばき方って難しそう…」
「専門的な調理器具いるんじゃないの?」
我が家でのカニは、足を切っただけの状態で食卓に並んでいました。
食べる時は箸を突っ込んで、グリグリと身をほじくり出したのを覚えています。
そうなると箸全体がベタベタ、手もベタベタ、もしかしたら服もベタベタです。
似たような経験がある人も多いのではないでしょうか。
ベタベタ地獄から脱出するのに手っ取り早い方法はひとつ。
ちゃんとさばくこと。
今回は簡単なカニのさばき方を伝授します。
さばき方を覚えて、おいしくいただきましょう!
誰でも簡単!カニのさばき方
今回はよく知られている下記の3種のカニのさばき方を見ていきます。
- ズワイガニ
- 毛ガニ
- タラバガニ
まずは必要な道具について軽く見ておきましょう。
【準備編】カニをさばく道具は?
カニをさばく時に必要な道具をご紹介します。
- キッチンバサミ
たったこれだけ。
必要な道具がキッチンバサミだけでいいなんて本当にビックリ。
私はもっと専門的な調理器具が必要なものとばかり思っていました。
ただし、注意して欲しいこともあります。
カニの殻は硬いので、何回もカニをさばくとキッチンバサミは刃こぼれしてしまいます。
100均製のような安価なものを、カニ用と割り切って使うのがいいかもしれません。
次に「必須ではないけどあったらいいもの」はこちら。
- 軍手
カニにはハサミやトゲがあるので、慣れないうちは怪我しないように軍手をつけたほうがいいかもしれません。
それでは、いよいよカニのさばき方を見ていきましょう。
YouTubeに動画がありましたので、そちらをご紹介します。
また、今回紹介する動画では軍手をつけていません。
繰り返しになりますが、慣れないうちは軍手をつけることも考えてみてください。
旨味たっぷり!ズワイガニのさばき方
まずはズワイガニ のさばき方から見ていきましょう。
ズワイガニは産地によってブランド化されているものが多く、よく聞く「松葉ガニ」や「越前ガニ」もズワイガニ。
ちょっとややこしいですが、知っておくとドヤ顔できますよ!
動画は「海鮮市場 北のグルメ」さん。
順番に見ていきます。
まずは胴体から。
- お腹にある「ふんどし」と言われる三角形の部分を外します。
- 胴体を真ん中から切ります。
- 足を「抱き身」ごと取り外します。
- エラなどの食べられない部分を取り除きます。
- 全ての足を切り離します。
- 足のついていた部分からハサミを入れて切り開きます。
抱き身とは甲羅の中の身の部分のこと。
そのままでは食べにくいので、汁物のダシにしてもおいしいですよ。
次に足の部分。
- 切断しないように注意しながら関節ごとに切り込みを入れます。
- 切り込みの部分を折って身を取り出します。
詳しいやり方は爪の手順を参考にしてください。
最後に爪。
- 爪は太い部分を切り離します。
- 足の穴から2ヶ所に切り込みを入れます。
- もう一方の穴から切り込みへ向かって切っていきます。
- 片側の殻を外します。
- 爪は動く方の付け根を折ります。
- 足の穴から2ヶ所に切り込みを入れます。
- 片側の殻を外します。
手順は多いけど、思ったより簡単そうね。
カニミソが絶品!毛ガニのさばき方
次は毛ガニ。
ズワイガニ やタラバガニと比べて小ぶりなカニです。
その分、さばきづらいかもしれません。
動画は「匠本舗かに本舗」さん。
では見ていきましょう。
まずは胴体。
- 全ての足を切り離します。
- お腹にある「ふんどし」と言われる三角形の部分を外します。
- 甲羅を下にして胴体と甲羅を取り外します。
- エラを取り除きます。
- 胴体を真ん中から切ります。
- 足のついていた部分からハサミを入れて切り開きます。
身についているもの残らずきれいに取って、おいしくいただきましょう。
続いて足。
- 足は側面を削(そ)ぐように切るとキレイに殻がとれます。
- 殻を開きます。
足の内側は特に柔らかいので、結構簡単に切れます。
圧倒的な大きさ!タラバガニのさばき方
最後にタラバガニ。
その大きさはまさに圧巻の一言。
豆知識ですが、タラバガニはカニではなくヤドカリの一種で、カニへの進化の過程にいます。
ちょっと生命の神秘を感じちゃいます。
動画は「匠本舗かに本舗」さん。
では見ていきます。
まずは胴体から。
- 全ての足を切り離します。
- お腹にある「ふんどし」と言われる三角形の部分を外します。
- 甲羅を下にして胴体と甲羅を取り外します。
- エラと赤い皮を根元から取り除きます。
- 口の部分を取り除きます。
- 胴体を真ん中から切ります。
- 足のついていた部分からハサミを入れて切り開きます。
タラバガニは大きいから少し力を入れて作業しよう。
次にふんどし。
- ふんどしの周りの部分を切っていきます。
- 薄皮を外して甲羅を外します。
- 食べやすい大きさに切っていきます。
おいしく食べられるので捨てないようにしましょう!
さらに足。
- 足の殻の側面を関節まで切っていきます。
- 殻の上部分を切り離します。
- 爪は切り離します。
- 同じように側面を切っていきます。
- 中の骨を抜きながら殻を取り外します。
最後に爪の部分。
- 関節の柔らかい部分を切り分けます。
- 爪の足の側面を切っていきます。
- 爪の部分の側面を切って殻を外します。
手順は他のカニとほとんど一緒ね。
それぞれのカニのさばき方を見てきました。
これくらいなら料理歴の浅い私でも簡単にできそう!
それぞれで細かい違いはありますが、手順はほとんど同じという点も印象的でした。
簡単そうだし私も早速やってみるわ。
ちょっと待ってください。
カニをさばく時に注意すべきことがあります。
そちらを見てみましょう。
カニのさばき方で注意すべきこと
カニをさばく上で注意すべきことがあります。
ここまで読んでくださった人なら、カニをさばくことは難しくないでしょう。
さらに注意点を守れば、安全でおいしくカニを食べることができます。
注意すべきは下記の2つ。
- カニを扱うのはスピードが命
- エラを食べてはいけない
詳しく解説します。
カニを扱うのはスピードが命
いきなりプレッシャーを与えるような注意になりました。
“さばく"ではなく"扱う"と表現したのは、食べる時も重要になるからです。
どういうことかというと、カニは時間がたてばたつほどどんどん風味が落ちていくから。
当たり前といえば当たり前。
ですが、私はなぜか魚などと比べて風味が落ちにくいものと思っていました。
同じように考えている人も多いのではないでしょうか。
確かに魚と違うイメージを持っていたかも。
しかし、魚と同じでカニだって生物。
火を通してもどんどん風味が落ちてしまいます。
食べるまでが勝負です。
手早くさばいて、あまり間隔をあけずに食べ始めましょう。
とはいえ、慌てて失敗してもおもしろくないし、怪我をしては元も子もありません。
難しいことを言いますが、マイペースを維持しつつ手早くやれるのが一番。
何回か繰り返せば、スピードなんて後からついてくるものです。
最初はちょっと意識する程度で十分ですよ。
エラを食べてはいけない
そもそもカニにもエラがあることはご存知でしたか。
恥ずかしながら、私はまったく知りませんでした。
よく考えたらカニだって海中で生きているので、酸素を取り込むために必要ですよね。
そんなエラをなぜ食べてはいけないのか。
繰り返しですが、エラは酸素を取り込む部位です。
つまり、海水にもっとも接触するということ。
海水には人間にとって悪影響のある雑菌がたくさんいます。
エラにはそんな雑菌が付着している可能性が高いのです。
ゆでる、焼くなどの熱処理をすれば基本的に殺菌できますが、100%安全という訳ではありません。
それらの雑菌のせいで食中毒につながる恐れも。
だから動画でも毎回取り除いていたのね。
また、雑菌の影響かエラが一番腐りやすいという事実もあります。
最近では冷凍技術が進歩しているため、保存状態は特に問題ありません。
しかし、冷凍技術がまだ未熟だった昔はエラが腐っていることも多く、エラを食べて食中毒になった事例もたくさんあります。
魚にもエラはあるけど、魚は大丈夫でカニはダメなの?
魚のエラはお店の人が取り除いてから販売しているので、特に問題はありません。
しかし、カニのエラは甲羅の中にあるので、丸ごと販売されているものは取り除いていないのです。
自分でさばく時は必ずエラを取り除きましょう。
そういえば我が家ではカニの食中毒などありませんでした。
母が丸ごとさばいていましたが、エラを見たことがありません。
しっかり取り除いてくれたのだと思いますが、こういった料理人の配慮はやはり嬉しいですね。
まとめ
カニのさばき方を見てきましたが、どのカニもほとんど同じ手順でさばけるなんて本当に感動ものです。
食中毒に注意しなければいけませんが、エラをしっかり取り除いてあげればそれも問題ありません。
しかも簡単。
誰でもできるのでぜひやってみてください。
特に旦那さんやお子さんがいる主婦の方。
「カニさばけたの?すごいね!」
「ママかっこいい!」
こんな風に言われたいですよね。
これをきっかけに会話も弾み、楽しい食卓になるかもしれません。
しかし、それはもう夢ではないのです。
あなたにはもう、カニのさばき方を伝授しているんですから。
さぁ、今すぐカニをさばいちゃいましょう。
家族でおいしい楽しいカニパーティの幕開けです。